多摩川河川敷で花火打ち上げ「子どもたちに笑顔を」地元子ども会有志で企画

 二子玉川駅近くの多摩川河川敷で8月7日、19時30分頃から約10分間、打ち上げ花火が真夏の夜空を彩った。

 多摩川河川敷では毎年10月、60万人以上の人出でにぎわう「たまがわ花火大会」(世田谷区主催)と「多摩川花火大会」(川崎市主催)が同時開催されているが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて3年連続で中止が決まっている。

 花火だけではなく盆踊り大会や夕涼み祭りなど、地域で続けられてきた夏の風物詩も中止が相次ぎ、惜しむ声が聞こえてくるなか、川崎市二子新地周辺の町会・子ども会や商店街が「3年連続で開催できず、子どもたちの笑顔が見られないのはしのびない」と、地域で力を合わせ、有志による花火打ち上げを実施した。

 主催は二子第二町会子ども会。盆踊りなどを楽しむ「子どもまつり」が今年も中止となったことを受けて、地元商店街の二子大通り昭和会などと協力し、川崎市内の花火会社「夜光屋」に相談。川崎市の助成金と一部地元企業からの資金を得て、開催に漕ぎつけた。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止として、来場者の密を生まないように事前告知は行わず、当日は子ども会メンバーで河川敷に集まり、観覧した。

 日が沈んだ後も昼間の猛暑が続いたが、川風が出て少し過ごしやすくなっていた当日の河川敷。岸辺で涼んでいた複数のカップルやグループは、突如夜空に上がった花火を目にし、驚きの喚声を上げた。花火は東急二子玉川駅ホームや新二子橋(国道246号高架)からも目にすることができた。新二子橋の欄干から眺めていた女性は「大きな音が聞こえたので急いで出てきた。短時間でも、夏を感じられた。ありがたい」と話していた。

 二子第二町会子ども会の高井英彦会長は「子どもたちの笑顔を見ることができてよかった。大人にとっても、今年の夏の思い出になりました」と、取材に答えた。

 国土交通省京浜河川事務所田園調布出張所によると、有志による花火の打ち上げは7月23日に続き今年度2回目。許可された申請は3件だが、1件が中止となっている。

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長&ファウンダー。二子玉川在住20年。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。法律専門書出版社勤務と米国大学院留学(高齢化社会政策)を経て、2016年〜2022年、自らの暮らしの場である二子玉川のエリアマネジメント法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。最近は生まれ育った西多摩の多摩川および秋川の水辺界隈でもじわりわくわく活動中。

暮らしを起点にした「本当にクリエイティブな社会」のタネを自らのアンテナで見つけ、リアルに伺った物語を記録し続けることがいま、とっても楽しいです!