【開催レポート】二子玉川たんぽぽツアー2021-身近な自然環境を知ろう- Part2

 Part①では、2021年4月12日(月)に開催した「たんぽぽツアー2021」の様子をレポートしました。Part②は、今回のツアー開催に至った経緯を中心にお伝えします😊

なぜ、在来種を探すのか

 春の気配を感じると私はなぜ、在来種のタンポポ探しに出かけるのでしょう。総苞の形がどうあれ、タンポポはたんぽぽ。雑種も在来種もこの地域の春を可憐に彩っていることに変りないのに。

 昨年春も、futakoloco 記事にて二子玉川駅周辺で見られるタンポポを紹介しましたが、この地域で最初に在来種を見つけたのは多摩川河川敷の土手の斜面。それから、私はこの地域の自然がとても愛おしくなり、気温はもちろん、時間帯や天気によって異なる表情を見せてくれる在来種のタンポポを捉えては、雑種との違いを観察しました。そして、その気づきを文献と照らし、研究者の再現性を伴った情報と合致すると楽しさは増し、文献に記載されていない微妙な差異も捉えたくなってきます。何年も同じ場所を日々観察していると、この土地のその条件だから起きているちょっとした例外に気づくこともあるのです。私が、同じ場所を何度も毎年観察するのは、地域の歴史や人の営みを含めた環境の変化など、タンポポを通して見えてくる、その視点の解像度がどんどん上がってくる、その実感を追求したいからなのかも知れません。その実感を得る喜びの向こうにはさらなる問いが準備されていて、それを解くための行動に目覚めると、誰かと共有したくなり、稀に共感が得られると、街に新しい何かが生まれてくる期待さえも膨らみます。

 もし、この街で在来種を見ることがなかったら、私はタンポポ観察を続けることはなかっただろうし、この喜びを誰かと共有したいと思うこともなかったはずです。

ツアー当日(4月12日)から1週間後(4月19日)、あのシロバナタンポポの株はすっかり綿毛姿に。また来年、この場所でお互い元気で会えますように(@^^)/~~~
タンポポが教えてくれること

 ここ数年、啓蟄から立夏ぐらいの期間、同じ場所をタンポポ中心に春に咲く草花の変遷を観察してきたのですが、今年は特に春が早く、立春の頃からシロバナタンポポは咲きはじめていました。他の地域を調べたわけではないのでその理由はわかりませんが、このエリアだけでいえば、在来種のタンポポが見られる時期は例年早くなってきているように感じます。在来種のタンポポは希少な上に見られる時期が短いというのも、私が在来種探しに過熱する理由の一つかも知れません。

 とはいえ、雑種のタンポポは今も可憐に咲き続けていて、秋に咲くタンポポも見られるはずです。河川敷などでタンポポを摘み、子どもたちとタンポポ相撲やタンポポ鼓をつくって遊びたいな😊

この在来タンポポの楽園は、ツアー下見(3月30日)に訪れた河川敷遊歩道内側の立ち入り禁止のロープの中
自然界はあっという間に模様替え(+_+) 在来タンポポの楽園だったロープ内↑は、ツアー当日にはハマダイコンの楽園に様変わり

💛ツアーを終えて

 在宅勤務が増えたコロナ禍以降、今まで見過ごしてきた近隣の植物を愛でる余裕ができたという参加者のお一人は参加動機を「植物を深く知るきっかけになればいいな」と話し、終了後には、人間との関わりや責任などにも触れて観察の気づきを語ってくれました。忙しさに追われる日常では草花の開花など無関係な出来事かも知れません。一方で、何年も何年も同じ場所に咲きながら、気温や天候、周辺の環境や他の植物との関わりによって開花時期や姿かたちを少しずつ変えていくタンポポを見つめ続ける、それだけで多くの気づきと小さな喜びが味わえます。

 今回、たんぽぽツアーを開催したいという私のつぶやきを察知して背中を押してくれたのが、二子玉川商店街のすーさんと、futakoloco映像ディレクターの古谷健治さん。新型コロナウイルスの影響下ということもあり、動画撮影中心の小規模展開となりましたが、二子玉川在住のステキなマダムたちが参加くださり貴重な気づきをいただくことができました✨

 たんぽぽツアーの下見観察段階から湧きあがった「もし、この地域のタンポポがみんな雑種化したとしたら何か困る?」「私たちはなぜ、在来種が貴重と思うのか?」「なぜ、多様性が大事なのか?」などの問いを、他の地域のたんぽぽ事情も聴きながら、次は対話セッションを試みるというのも面白そう。

 きっと私はまた来年も観察を続けることでしょう。もし、ご一緒いただける方がいらしたら嬉しいです💛

 

参考文献

タンポポハンドブック(2017)保谷彰彦著(著) 文一総合出版

わたしのタンポポ研究(2015)保谷彰彦著(著) さ・え・ら書房

日本のタンポポとセイヨウタンポポ(2013) 小川潔(著) 復刻どうぶつ社

保谷彰彦氏の記事 https://buna.info/article/3704/
⇒古谷健治さんが動画にて、当日の様子をまとめてくれました(^^♪
【動画リポート】二子玉川たんぽぽツアー2021-身近な自然環境を知ろう-

 

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この記事を書いた人

牟田由喜子

瀬田に移り住んで20年余り。二子玉川地域の魅力をしみじみ味わう今日この頃です。

早春には、多摩川河川敷や兵庫島の牧水たんぽぽ碑付近、タマリバタケ、玉川野毛町公園などでタンポポ・ツアーを実施したり、自然観察することで、みんなで社会や環境課題に向き合いたいと思っています。

人も自然も未来に続く日常のために、地域を愛でつつ、学び合い、対話を重ねる時間を大切にしたいという想いを込めて、サイエンス・ワークショップなども実施しています(^^♪