9月13日、編集長のこばなおから「すごくいい展示だったよ!」と連絡を受けた「ON THE RIVER」展。とにかく早く行きたい、と思い、晴れ間を見つけて2日後の15日に行ってきました。
二子玉川公園のスターバックスから土手を降りた辺りの通り沿い、と聞いていたけれど、私は多摩川上流から河川敷づたいに侵入。あるある。これだな、と。
以前、東京藝術大学出身のアーティストさんが「インスピレーションは自然の中にある」と言ったのにいたく感動したことがありました。自然とアートとは、切っても切れない。
圧倒的な自然の中にあるアートは、その自然によってさらに輝くことがある、というのは、以前ポートランド(アメリカオレゴン州)に行ったときに感じたこと。自然への畏怖があって、それを制するのではなくただそこにある、その存在が心を動かすのではないかと。
歩を進めると、ちょうど、パンフレットを持った2人の若者に出会いました。展示名が書かれた冊子を持っているから関係者に違いなし、と思い話しかけると、すごく喜んで対応してくれました。
この企画を呼び掛けた「総合プロデュ―サー」鳥野見知高さんは、他の打ち合わせに行っていて不在とのことだったので、お2人に取材の希望を話し案内をお願いしました。
すると、そこにもう1人の若者が現れました。これからお昼ゴハンを食べに行く(3時過ぎでしたが)とのことでしたが、パンフレットを置いている台がその彼、砂原光さんの作品ということで、写真を撮らせてもらいました。
案内してくださったのは、鳥野見さんと共に呼び掛け人のひとりであるAHEMED MANNANさん。マナンさんは、作品制作が決まってからすぐ新型コロナウィルス感染症の流行が始まったため、実家の大阪で作品を制作していたそうです。展示の設営も仲間に頼んだそうで、こうして会場でお会いできたのはまったくの幸運でした。
マナンさんは作品について「題名はありません」と。「既存の決められた場所に展示するのではなく、こういう場(河川敷という野外)に展示された絵画だからこそ感じられる何かがあるはず」と、語ってくれました。
マナンさんが在籍する東京藝術大学の作品展示会は、毎年上野の美術館で行われますが、コロナ禍ですべてWEBでの開催に変更されているのだそうです。私が二子玉川のこの場所で、生の作品に出会えたことは本当に幸いでした。
もう一人会場を案内してくださったのは海野望殊(うみのみこと)さん。
私が、心を動かされた作品のひとつは海野さんの作品で、下の画像のもの。キャンバスがビリビリに裂かれ、縫い合わせたところに花が咲いています。
「再生できる。というのがテーマです。自然といっしょです。」と教えてくれました。
閉塞感や、不安ばかりが増幅していくような毎日のなかで、この開放的な河川敷での絵画展示、それも、20代の若者たちが何もないところから自分たちで作り上げた空間。
この「ON THE RIVER」展を観覧し終わって、なんか、世の中捨てたもんじゃないな、と、「希望」を見た気がしました。河川敷を含む会場全体が心を動かします。20点の作品はどれもすばらしく、まだまだ、ご紹介したい作品がたくさんでした。この河川敷にあってこその作品たち。実際に足を運んで、感じてほしい。
生きることはアートだ!
教えてくれて、ありがとう。
展示をみたあと、futakolocoの編集部があるFutako Fun Baseをのぞいたら、編集長のこばなおは誰かと数人で打ち合わせ中。挨拶だけしてそそくさと去ろうとしたら、打ち合わせのお相手が同展の総合プロデューサー・鳥野見さんだったことが判明。
鳥野見さんは開催までのイバラの道について根掘り葉掘り聞かれ・・いえ、開催の経緯や思いなどについてヒアリングを受けていた模様。この「ON THE RIVER」展に深く感銘を受けたこばなお編集長が、今回だけの展示で終わらせず、発表の場をほかの二子玉川の水辺に展開できないかと交渉していた様で、期待大!
そうなったら、同展パンフレットに書かれていた「BIRTH」の言葉どおりになる。今回が「誕生」。その瞬間に立ち会えて、皆さんにお会いできてよかったです。
展示は19日まで。展示時間は10時〜19時。詳細は同展のInstagramアカウントをご覧ください。
- 名称
- 二子玉川公園眺望広場下(多摩川岸辺の散策路)
- 所在地
- 東京都世田谷区玉川1-16-1