二子玉川駅の階段を上っている時に、大きなフクロウに見つめられ、ずっと気になっていた「END展~死から問うあなたの人生の物語~」がをiTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川 ライズで始まりましたので、開催初日の5月27日、さっそく行ってきました。
私は、子どものころからなぜか「死」についてよく考えていました。「死」が怖くて寝るときには悲しくなって泣いたりしていました。
「漫画」も大好きで、よく貸本屋さんで借りて読んでいました。今回の展示にはあまり出ていなかったけれど、三原順、水島新司、三内すずえ、庄司陽子、和田慎二…書きだしたらキリがないくらいその当時(1970年代)に活躍した漫画家さんの作品が好きでした。
漫画には、絵と物語があり、ほんとうに素晴らしいアート作品がたくさんあると思います。
今、いちばん読みたいのは「ゴールデンカムイ」。29歳になる長女に勧められているのですが、まだ読めていません。
END展には「問い」がたくさんあります。そして、その「答え」もたくさんあるはずで、もしかすると、問われた全員ひとりひとり全部違う「答え」なのかもしれないとも思います。
「なぜ、生きるのか」と中学生だった娘に問われたことがあります。その時はとっさに思いつかなくて「それがわからないから、生きている」と答えました。17、8年経った今は「みんな死ぬまで生きるだけだ」と思うようになりました。
生きるのは大変で、つらいこともたくさんあります。でも、みんなそれぞれが「死ぬまで」生きるのだと。
86歳になる母は認知症です。父は亡くなって、九州で一人で暮らしています。たまに行くと、「早くお迎え来ないかな」と言い、私もつらい気持ちになっていましたが、「みんな死ぬまで生きるんだよ」と答えると、「生きるのも大変だけど、死ぬのも大変ね」などと笑ってくれます。
展示の最後にインスタレーションのコーナーがあります。この展示は、真っ暗な中にスマートフォンがたくさんあって、そこで、誰かの書いた「遺言」が再生され続けている、というものです。そして、なんと、その「遺言」は誰でもが、WEBサイトから投稿できるのだそうで。そのサイトに行くと、投稿ステップの最後に「心の準備ができたら書き始める」ボタンがあります。私はまだ「心の準備」ができず、このボタンをクリックできていません。6月8日までだそう。それまでに「心の準備」できるかな?
この展示を観る前に、5月18日に開催されたトークイベント「人生100年時代の死生観とは?」をYouTubeで聴きました。この展示を二子玉川に持ってきた(この展示は、2021年に六本木で開催されたもののアップデートになるそうです。詳細はYouTube、END展公式サイトで)東急株式会社の東浦亮典さんが、「僕は本を読むのが好きで」「映画もよく観るんですけど」というお話をされていて、そこからこの展示が二子玉川にやってきて、こうして観にいくことができたのだなあ、と、そのことに感じ入りました。
この世界にはわからないことや、どうにもならないことがたくさんあり、不安になったり焦燥感に駆られたりします。幼いときにそんな私を救ってくれたのは、漫画だったかもしれません。大人になってからは、本や映画を好き放題読んだり観たりできるようになりました。そのことは、私の「生きる」を支えてくれていると思います。
この展示は、事前日時予約制で、入場にはWEBサービス「Hiraql(ヒラクル)」への登録が必要ですが、「無料」です。日本では美術館が有料なので、この展示が無料で観られるのは貴重だと思いました。
私は予約と登録をパソコンでしちゃって、ちょっとわけがわからなくなってしまったのですが、わたしでもなんとか一人で予約、登録をすませて行けました。スマートフォンを日々使いこなしている方ならチャチャッと予約後、「Hiraql(ヒラクル)」の登録を済ませて行けるのではと思います。
END展公式サイト:https://hiraql.tokyu-laviere.co.jp/end-exhibition
気になっていた「フクロウ」の原画もありました。いくつかの作家さんの原画もあり、やはり原画はその筆致など素晴らしい。物語を絵と言葉で表現していく、漫画はやはり素晴らしいアートです。原画の写真は撮れませんが、他のコーナーは撮影可でした。
出口前にテーブル、椅子があり、「問い」があります。初日の会場でしたが、もうたくさんの「答え」の付箋が貼ってありました。私はなんだか書けなかったので、会期中にもう一回行って、書こうかな・・。ぜひ、参加してみてください。
【生きることはアートだ!16】「パイプオルガンが奏でる名曲の秋」@松本記念音楽迎賓館
- 名称
- iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ
- 所在地
- 東京都世田谷区玉川1-14-1