【生きることはアートだ!22】「スウェーデン・テキスタイル」展で胸に「ズキュン」――暮らしとアート、そして平和

こばなお編集長から預かっていた「スウェーデン・テキスタイル 暮らしと自然に息づく北欧デザイン」の内覧会招待状(葉書)が可愛すぎて、家に飾っていたら持って行くのを忘れ、遅刻気味に駆け込んだ世田谷美術館。

企画展の開催概要などは、こちら↑

私の胸に「ズキュン」と来た橋本善八館長のお話

内覧会前に行われた開会式典での橋本善八館長のお話に胸を射抜かれ、展示を観る前に編集長へ「私、記事を書きます!」と宣言していました。

編集長から共有してもらった橋本さんのスピーチの書き起こしに基づき、内容をご紹介します。

最初に、協力者の紹介やお礼、これまで世田谷美術館で開催してきたスウェーデン関連の展示についてのお話がありました。そのあと、橋本さんはこう続けました。

「世田谷美術館は、独学で絵画を学び、日常生活を送りつつ創作を続けた、いわゆる素朴派と呼ばれる作家の作品の収集や、これに関連する展覧会の開催を重ね、創造する喜びの大きさをご紹介してまいりました。

また、アートが日常の暮らしの様々な場面を彩ることを広く示していくために、音楽やダンスといったイベントも開催してまいりました。いずれにいたしましても、私たちの暮らしが、アートと結びつくことで生まれる豊かさは、人間にとってかけがえのない財産であると思います」

そうです!

「暮らしがアートと結びつくことで生まれる豊かさは、人間にとってかけがえのない財産」

この言葉で私は、メモを取り始めました。

橋本さんは、日本にも全国各地に独特な織りや染めの技術があり、それらは日々の暮らしを支えてきた重要な技術なのだと続けます。

私が内心、(え、それって、『民藝』ですよね?!)と思ったとたんに、橋本さんが、

「このことは民藝という概念を生むことにつながり、素朴でありながらも、手や心になじむ造形の美を愛でる心が、私たちには宿っています」

とおっしゃいました。

そうですよね、そうですよね。

「生きることはアートだ!」なんて、赤面してしまうようなタイトルでfutakolocoの連載を書いている私ですが、そのことを書きたくて続けているのです。ずっと。

日常に寄り添う美しいものと、平和

そして、ごあいさつの結び。

「そうした心の在りようは国境を超えた共感をもたらし、このたびの展覧会においても、来場者の多くがこの会場に並ぶ作品に深い親しみを覚えてくださるだろうというふうに信じております」

私も、信じます!

そして最後に、橋本さんが語った言葉。

日常に寄り添う人の手による美しい伝統を失わないためにも、ともに世界の平和を願いたいと思います

ズキュン。

日常は、雑多で煩雑で、毎日暮らすだけで精いっぱいだったりします。

雨も降るし、風も吹くし。 

体が痛かったり、子どもが泣いたり。 

思うように何もできないかもしれない。

だけど、

自分が、いいな、好きだな、きれいだな、かわいいな、かっこいいな、と 

思えるものと暮らすこと。

そんなふうに思えるモノたち、それってどこにあるのかな、って探すこと。

探すときは、体を動かすこと。

自然の中に出てみて、体を動かして感じる。 

人の言葉に耳を傾ける。 

観たり、聴いたり、読んだり。

そして、自分を動かして、誰かに伝えていく。

書いたり、描いたり、話したり、つくったり。

そして、それこそが、平和。 

生きること。

※【編集部より】橋本善八館長が「作品のない展示室」に込めた思い:橋本善八館長は、コロナ禍の2020年、作品を一つも展示しない企画「作品のない展示室」を担当しました。当時、世田谷美術館の副館長兼学芸部長だった橋本さんに、東京都市大学大学院生だったロコ記者「いちさん」がインタビューしています。「社会教育施設であり、文化のアーカイブ機能を持つ施設が何をするか、コロナの影響ではっきり見えてくる」…美術館の新しいあり方と役割の可能性を見据えた橋本さんの言葉を、今回のコラムと併せて、ぜひお読みください。

「生きることはアートだ!」と思い出させてくれた世田谷美術館

国分寺崖線の下に暮らして34年。

森を抜けて、美術館まで歩いて行ける幸せを日々感じています。

ともに、世界の平和を願いたいと思います。

撮影:こばなお

2階展示室で同時開催中のコレクション展「気になる、こんどの収蔵品―作品がつれてきた物語」も、とてもよかったです。

企画展に行ったら、ぜひ2階の展示も観てください。

図録がすばらしい。こういうことを大切にしたい。

充実している世田谷美術館のWebサイト

世田谷美術館のWebサイトは、とても充実しています。

以前、私の娘が参加したワークショップを振り返る記事や、過去に制作されたポッドキャストなどもありました。

前回、2階展示室で開催されていた「武蔵野・再考―写真家たちの武蔵野と向井潤吉の写真」も、とてもよかったんだよね~と思っていたら、YouTubeの公式アカウント「世田美チャンネル」に動画がありました!

これが「世田美チャンネル」vol.40。

過去の動画も見ていくと、しばらく「世田美チャンネル」で楽しめそうです。

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この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で「子どものアトリエ」を始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」という場を開設、「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開。2021年、岡本から玉川4丁目の空き家(通称たまよん)に1年間入居。2023年、「ゆいまあると3つの磁石」近くに建った家に転居、「あめます舎」と名付けて家を半開きしている。2020年よりNPO法人せたがや水辺デザインネットワーク代表理事 2025年5月自己免疫疾患「原田病」であることが発覚。多くの人と同じく、元気な時は元気で、元気でないときは休んでいます~note「あめます舎日記」書いてますhttps://note.com/amemasusha