芸術の秋。あちこちでいろいろなイベントが、開かれるようになりました。街に少しづつ、以前のような賑わいが戻ってきているな、とは感じていましたが、10月9日に二子玉川ライズ ガレリアの「タマリバーズ ふたこのわたし」を観に行って実感。
8日、9日の2日間6回公演のうち、私は9日の14時半の回に行ったのですが、まず、行って「親子連れがいっぱいいるなあ~」と嬉しくなりました。それもそのはず、昨年の自分の書いたコラムを振り返って読んだら、昨年はひとつづつ席をあけて、座っていたのでした。
今回11回目の開催となったこの公演、私は2018年から見始めて、今年は4回目(2020年は開催されませんでした)。在学生がすべてを創り出すので、毎年趣が違います。「真夜中におはよう」というサブタイトルのついた今年の「ふたこのわたし」は、例年より「わたし」がフォーカスされていたように思います。それが、素晴らしかった。
2020年の春、新型コロナウィルスが現れ、「わたし」たちの生活は一変しました。大学にリアルで通うことのできない大学生たち、仲間と乾杯することも、一緒に笑いあうことさえ許されない世界。そんな世界で過ごした学生さんたちの想いが素直に表現されていたように思いました。
パンフレットに「このお話は、父に贈った絵本からはじまりました」という記述があり、会場で、「この絵本の題名はなんですか?」と聞いたところはっとりさちえさん作の「よるはおやすみ」とのこと。
今回はとりわけ観客、子どもたちにとても感動しました。キャラクター「蚊」の注射器におびえ、ママの膝に避難したかと思ったら、「らいおん」に手を振り、とっても楽しそう。自分が昔、子どもたちと一緒にディズニーランドなどでパレードを見た時のことを思いだし、幸せな気分になりました。
サブイベント
今回の「タマリバーズ」も、それに伴うプレイベントや、ワークショップが行われていましたが、初めての試みで学生さんたちの作品を販売するという「たまたまマーケット」が開催されていました。
立派な油絵とかが並んでいるのかな~なんて思っていた私ですが、実際は、かわいい雑貨マーケットで、見ているだけで一日終わりそうな趣向でした。今回は時間がなくて、買えなかったのだけど、また開催されないかな~と期待しています。そのうえ、この収益の一部は、私も関わっている「かわのまちアクション」に寄付してくださるという、ありがたい企画でした。
「星空に願いをワークショップ」は、地域の保育園とのコラボレーション企画で来場のみなさんの願い事が作品の一部に。
表現する場があること、それを受け取る体験ができること。
私の観劇体験についてなどは、この「タマリバーズ」を始めて観た2018年に書いた【生きることはアートだ!2】タマリバーズ~ふたこのわたし~に書きましたが、自分が子ども時代に観劇体験をできたことにはとてもありがたいことでした。
劇場での観劇はそれは素晴らしいことだけど、やはり子連れにはハードルが高いものです。「タマリバーズ」のような「広場演劇」はだれでもが体験できる素晴らしい場で、この場を、地域の大学と二子玉川ライズという民間の企業が連携して続けていっているというのは、私たちロコにとってとても嬉しく、ありがたいことだなあと思います。
表現する場があること、それを受け取る体験ができるということ。
表現は受け手がいることにも意味があるのだと思います。歳をとっても体験することでまた発見があるものです。毎年毎回のことですが、あらためまして、「生きることはアートだ!」と思わせてもらいました。
学生さんにも、この場を作ってくださった方にも、観客のみなさんにも、感謝です。来年もまた、観たい!
- 名称
- 二子玉川ライズ ガレリア
- 所在地
- 東京都世田谷区玉川2丁目21−1