どうぞのごはん♯40 ありがとうのホワイトシチュー

 今年最後の水辺のおしごとは、「松本記念音楽迎賓館」の「みどりの講座」。お昼の「どうぞのごはん」のまえに、少し私も崖線散策に参加しました。

紅葉がまだまだ楽しめる国分寺崖線エリア

 散策のスタート地点である静嘉堂文庫の森は、静嘉堂文庫美術館の企画展がない時期は閉まっているので、今回はお隣の岡本八幡の坂から下りていきました。八幡さまの前で、崖下をみおろして、中西講師のお話でこんな言葉がありました。

多摩川は暴れ川。この崖線の下のそのあたりまで、自由に流れていた川なんです。そこに僕らは街を作ったのです。

崖線上の北参道前。崖線下には松任谷ご夫婦が寄贈した灯篭がある岡本八幡宮。
この崖の下を多摩川は自由に流れていたのです。
松本記念音楽迎賓館の「みどりの講座」には、子どもから大人まで26名が参加。崖の下をのぞき込み、ここを流れていた多摩川に想いを馳せる

 今年も一年間、いろんなことがありました。春にはアースオーブンを造り、夏には川に入り。そして、秋に大きな風が吹きました。台風19号。

 ★台風19号の翌朝について書いた記事はこちら↓

 

 日本は、島。豊富に水があるから畑を作り、野菜を育てることができます。先人たちは家を建て、上水道、下水道を作り、発電所を造ってきてくれました。水道が整備されているから、私たちは病気をせずに快適な毎日が送れる。電気があるから夜も活動できるし、冷蔵庫やパソコンだってスマホだって使える。車があるから重いものをたくさん持って遠くに行けるし、ガスがあるから美味しいごはんが作れる。水道や、電気、ガスなんかがない生活にはもう戻れないなあ、と私も思います。

 でも、その一方で、立ち止まってみるとか、少し、戻ってもいいんじゃないか、これ以上の便利を求めなくてもいいんじゃないかな、とも思っています。そして、「もとどおり」の「もと」ってどこの時点なんだろうな、って。

 ★台風19号で流された多摩川河川敷水辺原っぱの「三本桜」のことを書いた記事はこちら↓

 

 今年の台風で、私たちの活動拠点では多くのものが流されました。流れていったものを全部、流れる直前・・「私たちが知っている川原」に戻すことが、果たして、復興や発展なのかな。流れていった桜の木。そもそもそこに桜はあるべきものだったのか。自然の流れを変えるのではなく、川の流れ、自然の流れに沿うように自分たちのありようを変えてもいいんじゃないかな。それもある意味、豊かなる発展じゃないのかなあ。

 川は流れ、風は吹き、大地は揺れます。誰にも止められない。川や、風や、大地はみんなのものです。みんなのものは、私のものではない。それは、誰のものでもないから、いつもそこにいさせてくれる誰かに、ありがとう、と思います。

 「みどりの講座」の前週の12月15日日曜日、せたがや水辺の楽校原っぱの「原っぱアトリエ」でも、ホワイトシチューを「どうぞ」しました。

 原っぱで、ごはんを作って、みんなに「どうぞ」ってできる時、ほんとうに幸せな気持ちになります。アースオーブンで作るピザをみんなで食べる時と同じように。そして、みんなの場所を使わせてもらって、みんなにごはんを「どうぞ」できるってありがたいなあ、「ありがとう~」という気持ちになります。

 そこは、「みんなの場所」。だれがきてもいい、自由な場所です。みんなの場所は「オレのモノ」ではないから、自由な場所になるのだと思います。みんなが「ここはオレのモノじゃない。」という気持ちを持てば、そこを自由に使っても、無法地帯にはならない。 

12月15日の「原っぱアトリエ」にて。兵庫島にカヌーでやってきたサンタさんたちが、「ホワイトシチュー」を食べに来てくれました。ありがとう!
この日の「原っぱアトリエ」は、、西アフリカの太鼓「ジャンベ」演奏のチーム、たむたむちんぱんじーさんと一緒にみんなで音楽を楽しみました。
原っぱに響く太鼓の音にみんなウキウキ♪まちのみなさんの理解と応援があってこそ、この場がある。ほんとうにありがたい。

 大切なこと。それは、「きまり」なんかじゃなくて「ありがとう」っていうきもちだと思う。

 こんな素敵なところで、みんなにごはんを「どうぞ」させてくれてありがとう!

気持ちいい風。今日も吹いてくれてありがとう。

あたたかな太陽。今日も照らしてくれてありがとう。

国分寺崖線。今日もみどりの森をありがとう。

大好きな多摩川。今日も豊かな流れをありがとう。

 今年も一年間、大好きなまちで大好きなことをして過ごしてきました。それは、大好きな大切な仲間たちのおかげ。私の周りにいてくれて、ほんとうにありがとう。そして、私に「どうぞのごはん」の場をくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

 来年もよろしくお願いします。

赤かみどりの食材がはいるとおいしそうにみえます。いつもおさかなにんじんが私のシチューのポイント!これは「みどりの講座」のお昼にペトランのパンと一緒に出したホワイトシチュー。この回は、里芋と白菜を中心にしています。

ありがとうのホワイトシチュー

▶ベーコンと豚肉を弱火で炒める(脂がでるので、特に油を入れなくてもいいと思いますが、入れる時はオリーブオイルを入れます)

▶玉ねぎ、にんじんと季節の野菜(白菜・芋類・大根・ブロッコリーなど)をいれます。里芋の時は、一度ゆでこぼしてから。ブロッコリーを入れる時は最後に。ブロッコリーの芯の部分も周りの堅いところを除いて、薄く切っていれると美味しいです。

▶お酒(水)を少し入れて、蒸すように野菜を柔らかくし、野菜の水がでてから、お湯を足します。

▶お芋が柔らかくなったら、クリームシチューのルーを入れます。(私は、パルシステムの顆粒のものを使っています。大量でないご家庭用なら、バター30グラムをお鍋にいれ、小麦粉大さじ3を焦がさないように混ぜ、牛乳300g、塩コショウを加えて作れます。)

▶最後に、牛乳か、豆乳をいれます。溶けるチーズを入れても美味しいです。

▶私はブラックペッパーをかけていただきます!

 

使った野菜たち・白菜・ブロッコリー(宇奈根:すずき農園・大蔵勇気野菜)大根(大蔵:いしい農園)里芋(宇奈根:すずき農園、今年も世田谷一!!)ジャガイモ(鎌田:かわべ農園)たまねぎ・にんじんは北海道産有機野菜

 

 

 

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この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で「子どものアトリエ」を始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」という場を開設、「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開。2021年、岡本から玉川4丁目の空き家(通称たまよん)に1年間入居。2023年、「ゆいまあると3つの磁石」近くに建った家に転居、「あめます舎」と名付けて家開きしている。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク所属。